サイバーエージェントは2025年第1四半期決算概要と2025年度の業績見通しについて発表しました。
メディア＆IP事業とインターネット広告事業は増収増益で好調なスタートを切りましたが、ゲーム事業は既存タイトルの落ち込みにより減収となりました。
会社全体としては増収増益基調であり、2025年度も増収増益を見込んでいます。「ABEMA」を中心としたIP事業の強化と収益化が中長期的な戦略の柱として示されています。
決算概要（1Q：2024年10月～2024年12月）
※参照：https://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/uVIG/maQs/VIjr.pdf
連結業績は、売上高が2,038億円（前年同期比5.6%増）、営業利益が83億円（前年同期比32.1%増）と、増収増益で好調な滑り出しとなりました。特に営業利益の増加率が顕著です。
売上高の業績見通しに対する進捗率は24.9%、営業利益の進捗率は19.8%と、ともに順調に推移しています。
各事業の状況は以下の通りです
・メディア＆IP事業は、売上高が556億円（前年同期比10.5%増）、営業利益が14億円（前年同期比22億円増益）と、大幅な増収増益を達成しました。これは、「ABEMA」の損失改善などが大きく寄与しています。重層的に売上が積み上がっており、好調に推移しています。
・インターネット広告事業は、売上高が1,177億円（前年同期比11.8%増）、営業利益が60億円（前年同期比6.1%増）と、こちらも増収増益となりました。新規開拓などが奏功し、売上高は二桁成長を維持しており、営業利益率は5%台を継続しています。
・ゲーム事業は、売上高が382億円（前年同期比15.1%減）、営業利益が33億円（前年同期比4.1%減）と、減収微減益となりました。好調な新規タイトルがあったものの、既存タイトルの落ち込みが影響しました。
▼その他
・販売管理費は456億円（前年同期比4.4%増、前四半期比8.6%減）
・連結役職員数は、2024年12月末時点で7,922名（前年同期比586名増、前四半期比72名増） 。
・損益計算書の主要項目として、売上総利益は539億7千9百万円（前年同期比7.9%増）、経常利益は88億6百万円（前年同期比35.9%増）、当期純利益は50億7千1百万円（前年同期比大幅増）。
・貸借対照表の主要項目として、総資産は5,249億7千2百万円（前年同期比12.0%増）、純資産は2,520億2百万円（前年同期比13.6%増）。
2025年度業績見通し（2024年10月～2025年9月）
2025年度の売上高は8,200億円（前年比2.1%増）、営業利益は420億円（前年比0.4%増）と予想されています。
これは、増収増益期でありながら、「ABEMA」への先行投資期でもあると位置づけられています 。
中長期的には、メディア＆IP事業が利益貢献を開始し、特大ゲームのヒットによって増収増益を目指すとしています。
各事業の状況詳細
•メディア＆IP事業では、「ABEMA」を中心にIPの創出からマネタイズまでグループシナジーを活かす戦略を推進しています。アニメ制作会社CA Soaを設立するなど、IP事業を積極的に拡大しています。コンテンツとしてはアニメが人気であり 、韓流コンテンツの視聴時間も大きな割合を占めています。
•インターネット広告事業は、運用力とAIなどを活用した技術力で高い広告効果を実現することを競争優位性としています 。AIクリエイティブの活用も進めており、広告効果の最大化を図っています。
•ゲーム事業では、FY2025においてグローバル版を含め6本以上の新規タイトルの提供を目指しています。具体的なタイトルとしては、「Granblue Fantasy Versus: Rising」、「GRANBLUE FANTASY: Relink」、「呪術廻戦 ファントムパレード」、「学園アイドルマスター」、「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭！」などが挙げられています。
中長期の戦略
これまで（～FY2024）は、広告事業とゲーム事業で利益を積み上げ、メディア事業に十分な投資を行い、中長期の柱に育てる戦略を取っていました
これから（FY2025～）は、メディア＆IP事業が利益貢献を開始し、IP事業などを強化することで、高収益なビジネスモデルを目指すとしています。世界に通用するIPの創出を重要な目標として掲げています。
参考資料
