運用型広告とは?純広告との違いや種類・仕組みを解説

運用型広告とはのアイキャッチ画像 デジタルマーケティング
この記事で分かること

・運用型広告の仕組み・種類
・運用型広告と純広告の違い

デジタル広告の世界では、さまざまなタイプの広告が存在します。

その中でも広告は大きく「運用型広告」と「純広告」の2つに分類されます。

この記事では、運用型広告の基本的な概念や特徴、純広告との違い、およびさまざまな運用型広告の種類や仕組みについて詳しく解説します。

運用型広告がどのようにビジネスやマーケティング戦略に貢献するか、そして純広告との比較を通じてその重要性を理解していきましょう。

運用型広告とは

運用型広告とは、広告の配信設定や予算管理、ターゲティングの調整などをリアルタイムで行い広告を最適化する手法です。

また電通の調査によると2023年の運用型広告は2兆3,490億円で2022年比で110%ほど増加し、インターネット広告媒体費の87%を占めている。一方、予約型広告は2,648億円で2022年と変化はない。

運用型広告の市場規模

※参照元:電通 「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

運用型広告と純広告の違い

運用型広告と純広告の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

大きく異なるのは「課金形式」「掲載場所」「運用面」の3つになります。

  1. 課金形式
    • 運用型広告:インプレッションやクリックなどユーザーのアクションに応じて課金
    • 純広告:あらかじめ決まっている予算配信
  2. 掲載場所
    • 運用型広告:様々なウェブサービスに掲載、掲載枠は保証されていない固定
    • 純広告:掲載枠が保証されている
  3. 運用面
    • 運用型広告:配信中でもターゲティング、予算、テキスト、クリエイティブ等の調整が可能
    • 純広告:掲載中の表示内容の変更は不可
John先生
John先生

配信スタートした後に予算やターゲットを運用型広告は”可変”、純広告は”不変”ということだね

運用型広告の仕組みと課金形式

次に、運用型広告が掲載される仕組みと課金方式を解説します。

運用型広告は、オークションによって広告を配信する仕組みとなっており、代表的な下記課金形式は下記3つになります。

課金形式課金タイミング特徴
CPC(Cost Per Click)
クリック課金
広告をクリックされたとき主にリスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告など
CPM(Cost Per Mille)
インプレッション課金
広告が表示されたとき主にSNS広告
CPV(Cost Per View)
広告視聴単価
広告が視聴されたとき動画広告
  1. CPC(Cost Per Click)- クリック課金制
    • 特徴
      • クリックされたときにのみ課金される
      • 主にリスティング広告、ディスプレイ広告で利用
    • メリット:
      • 実際にクリックされた場合のみ課金されるため、興味を持ったユーザーをサイトに誘導できる
    • デメリット:
      • 誤クリックや悪意のあるクリックによって無駄な費用が発生する可能性がある
      • 競争率が高い場合、特定のキーワードや市場において、クリック単価が高騰する
  2. CPM(Cost Per Mille)- インプレッション課金制
    • 特徴:
      • 広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する。
      • クリックの有無に関係なく、広告の表示回数に応じて支払いが行われる。
      • SNS広告で多い
    • メリット:
      • インプレッションごとに課金されるため、広告の露出度を高めることができます。
      • クリック率(CTR)が高いほどクリック単価(CPC)が割安になり、低単価でサイト誘導できる
    • デメリット:
      • クリックやコンバージョンなどの具体的な成果が期待されない場合、費用対効果が低いことがある。
      • 広告が表示されても、実際に見られているかどうかが分からない可能性がある
  3. CPV(Cost Per View)- 広告視聴単価制
    • 特徴:
      • 広告が視聴された回数に応じて料金が発生する。
      • 主に動画広告に使用
    • メリット:
      • 広告が一定以上視聴された場合に課金されるため、商品・サービス理解の促進に繋がる
      • 広告を視聴することで、ユーザーのエンゲージメント向上が期待できる
    • デメリット
      • 視聴時間が短い場合や広告をスキップする場合、効果的な広告展開が難しいことがある。

これらの課金形式は、広告目的やターゲットオーディエンスによって適切なものが異なります。

目的や予算に合わせて最適な課金形式を選択することが重要です。

John先生
John先生

動画広告では多くの人に見てもらいたい、認知目的の場合は”CPV課金”

ブランドイメージ定着や商品・サービス理解促進をしたい場合は”CPM課金”を利用されるケースが多いよ

運用型広告のメリット・デメリット

次に、運用型広告のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

  1. リアルタイム分析と最適化

運用型広告の一番のメリットがリアルタイム分析と最適化です!

運用型広告はクリック数やコンバージョン数など、広告の成果をリアルタイムで確認することができます。

そのため、必要に応じて効果の低い広告の停止や効果の高い広告に予算を再配分、ターゲティング変更などをリアルタイムで調整することができ最適化することが可能です。

  1. 詳細なターゲティング

運用型広告は、特定の興味関心や行動パターンに基づいて、広告を厳密にターゲットすることができます。

例えば、特定の年齢層や地域に広告を表示することが可能です。

媒体によってそれぞれターゲティングは異なりますが、「20代×女性×美容興味関心」などで自社ターゲットに合わせてターゲティングすることができます。

  1. 柔軟な予算管理

運用型広告は広告主側で柔軟に予算をコントロールすることができ、かつ、少額からでも開始することができます。

テレビCMや新聞などの純広告とは異なり「まずは少額からテスト的に開始したい」、「季節やイベント日に合わせて配信量を調整したい」なども可能です。

デメリット

  1. 媒体やデジタルマーケティングの専門知識が必要

 運用型広告を効果的に実施するには、広告主やマーケターがデジタルマーケティングや広告媒体の専門知識が必要になります。

適切なターゲティングやバナー・動画などのクリエイティブ作成、キャンペーンの最適化など、専門的な知識が必要になります。

また変化が激しい業界になるため、アップデート情報のキャッチアップ等も必要になってきます。

運用型広告を効果的に活用するためには、適切な戦略の立案と継続的な最適化が不可欠になります。

John先生
John先生

広告業界でもAI技術は発展してきているため、上手く活用することも重要だね

運用型広告の種類

前章のおさらいになりますが、インターネット広告の種類は多岐に渡り、配信面で分けると主にリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告に分けられます。

以下では、主要なインターネット広告・運用型広告の種類と簡単な特徴を紹介します。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。

主にGoogleやYahoo!、MicrosoftのBingなどの広告プラットフォームを利用して展開されます。

キーワードに関連する広告がユーザーの検索結果と一緒に表示されます。

特徴
  1. キーワードに基づくターゲティング
    ユーザーの検索クエリに基づいて広告が表示される。
     
  2. 検索結果ページ上に表示
    主に検索エンジンの検索結果ページに広告が掲載される。
     
  3. CPC(Cost Per Click)- クリック課金制
    クリックごとに料金が発生する。

▼配信イメージ
広告やスポンサーと記載のある箇所がリスティング広告になります

リスティング広告の配信イメージ

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリ内の広告スペースに表示される広告です。

リスティング広告とは異なり、画像や動画などビジュアルで見せることが多く、視覚的な魅力やブランドイメージを強化するのに適しています。

特徴
  1. 視覚的な広告形式
    画像や動画などの視覚的なコンテンツを使用
     
  2. ブランドイメージの強化
    クリエイティブなデザインや魅力的なビジュアルを活用して、ブランドの認知度やイメージを向上が期待できる
     
  3. リマーケティングの活用
    過去のウェブサイト訪問者やアプリユーザーに対して再度広告を表示するリマーケティングが可能

▼配信イメージ

ディスプレイ広告の配信イメージ

SNS広告とは

SNS広告は、ソーシャルネットワーキングサイトやSNSアプリ上で表示される広告です。

主にFacebook広告、Instagram広告、Tiktok広告、X(旧Twitter)広告などがあり、ターゲットユーザーの興味や行動に基づいて広告を配信することができます。

Facebookは性別・年齢・職業などの個人情報を細かく登録することができるため、toB向け広告でもアプローチしたい職業や業界をターゲティングすることが可能です。

特徴
  1. 的確なターゲティング
    ユーザーの属性や興味に基づいて広告を配信できる。
  2. 多様な広告形式
    テキスト、画像、動画など様々な形式の広告が利用できる。
  3. ユーザーとのインタラクション
    コメントやいいねなどの機能を通じてユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能。

動画広告

動画広告は主にSNSやYoutubeなどで配信することが可能です。リスティング広告やディスプレイ広告などは広告がクリックされた際に料金が発生することが多いですが、動画広告では広告が視聴や表示された際に料金が発生することが多いのが他媒体と異なります。その他にも下記のような特徴があります。

特徴
  1. 視覚的インパクト
    映像と音声を組み合わせたメディアで、高い視覚的魅力があります。
  2. ストーリー性のある訴求
     物語を通じて感情を喚起し、ブランドや製品のメッセージを伝えることができる
  3. ソーシャルメディアでのシェア性
    動画広告は、ソーシャルメディア上でのシェアやバイラル展開に適しています。面白い、感動的な、または共感を呼ぶ動画は、ユーザーによって積極的に共有され、広告効果が増幅されることがあります

成果を出すためのポイント

ここまで、運用型広告にはメリットやデメリットを紹介してきました。

メリットは多いものの効果的に利用するには、専門的な知識やスキルが必要となります。

そのため最後に運用型広告で成果を出すためのポイントを紹介します。

  1. 明確な目標設定

運用型広告を実施する目的、何を達成したいのかを明確にすることは重要です。

明確な目標がないと、どのような成果を求め、どのような戦略を立てるべきかがわかりません。

明確な目標があれば、広告のパフォーマンスを定量的に評価し、最適な予算の割り振りやキャンペーンの改善点や学びを洗い出し、次回の広告活動に生かすことができます。

  1. 継続的なテストと改善

運用型広告の成果をだすためには、継続的なテストと改善が必要不可欠です。

リアルタイムで広告成果が更新されるため、日々、数値を見て傾向の把握と改善を継続的にしていきましょう。

また広告の異なる要素(タイトル、画像、キャッチコピーなど)をA/Bテスト実施し、何がユーザーに刺さりやすいのかを見つけることも重要です。

  1. 魅力的なクリエイティブ制作

今や広告媒体の自動化やAI・機械学習も進んでおり、最適なターゲティングに自動で配信できる媒体も増えてきています。

そのため「誰に広告配信をするか」よりも「何を配信するか」、いわば動画やバナー画像などのクリエイティブが今後重要になってきます。

ストーリーやデザイン・コピー、ブランドアイデンティティなどを重視し、視聴者の心に響くコンテンツを制作することが必要になります。

さいごに

今回は、運用型広告の特徴やメリット・デメリット、効果を出すためのポイントを紹介してきました。

運用型広告はメリットは多いですが、媒体知識や最新情報のインプットなどが広告成果を出すためには必要不可欠になってきます。

裏を返せば、運用型広告の知識な経験を身に着けることで競合との差別化や売り上げUPに繋げることができるので、一緒に頑張りましょう!!!

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