Excelでデータ整理をしていると、同じ内容が重複して困ったことはありませんか?そんな時に役立つのが「Excel 重複削除」の機能です。この記事では、初心者でも迷わずできるように、基本手順から注意点まで図解つきでわかりやすく解説します。
この記事では、初心者から中級者まで安心して使えるように「Excel 重複削除」の基礎から応用までを詳しく解説します。具体的には以下の内容をカバーします。
- 基本操作の流れ:重複の削除機能を使った手順を図解で紹介
- 列指定の方法:複数列や一部の列を対象にした削除方法
- 実行後の注意点:元データの確認方法やトラブル防止のコツ
- 応用テクニック:条件付き書式や関数を使った重複チェック
この記事を読むことで、Excelでのデータ管理がより正確かつ効率的になり、業務や学習に役立つ知識を得られます。
重複の削除機能とは
Excelには、簡単に重複データを削除できる専用の機能があります。数クリックで指定した範囲内の重複を整理できるため、手作業での確認や削除の手間を大幅に減らせます。
また、列ごとに削除条件を指定できるため、重要な情報を残しつつ不要なデータだけを削除することも可能です。業務効率を上げ、正確な分析や管理に役立つ機能として、多くのExcelユーザーに利用されています。
操作手順(範囲選択 → データタブ → 重複削除)
- 対象範囲を選択
重複を削除したいセル範囲を選びます。列全体を選ぶ場合は、列ヘッダーをクリックします。 - データタブを開く
Excel上部の「データ」タブをクリックします。 - 重複削除をクリック
「データツール」グループの「重複の削除」を選択します。

- 対象列を確認してOKを押す
削除する列をチェックし、「OK」を押すと、重複データが自動で削除されます。
例えば氏名が同じ人は削除する場合は「氏名」のみにチェックを押します。
すると下記のように氏名が同じセルは削除されます

もし氏名と勤務地が同じ場合のみ削除したい場合は、氏名と勤務地のみにチェックすると
氏名のみが同じ人は削除されません。

※参考:重複しない値を抽出する、または重複する値を削除する – Microsoft サポート
※削除前にコピーしてバックアップを取ることをおすすめします。誤削除を防ぐ重要なステップです。
列指定のポイント(複数列、部分列など)
- 複数列を指定:例えば「名前」と「メールアドレス」の両方が同じ場合のみ削除したいときは、両列にチェックを入れます。
- 部分列指定:特定の列だけを基準に重複判定することも可能です。その他の列は保持されます。
- 優先順位を意識:重要な情報を残す場合、列の選択順やソート順を工夫すると安心です。
実行後の確認と注意点
- 削除結果の確認:削除後、残ったデータをチェックして誤削除がないか確認します。
- 元に戻せるタイミング:直後であれば「Ctrl + Z」で元に戻せますが、保存後は復元不可なので事前にコピーを残しておくことが重要です。
- データ量が多い場合:数万行以上のデータでは処理に時間がかかることがあります。可能であれば範囲を分割して作業すると安全です。
関数を使った重複チェック・抽出方法
Excelでは、機能だけでなく関数を使って重複データを確認・抽出することもできます。大量のデータや条件付きの整理が必要な場合に便利で、手作業より効率的に作業できます。
COUNTIF関数で重複を確認する
- 用途:特定の値が範囲内に何回出現しているかを確認
- 例:=COUNTIF(B:B, B4)
- B列の値がB4セルと同じものが何個あるかを表示
- 応用:2以上なら重複、1なら一意の値として判断できます
下記の場合B列に「佐藤」は5人いるため「5」と表示されます

- メリット:視覚的に重複を把握しやすく、条件付き書式と組み合わせると強調表示も可能です
UNIQUE関数で重複を除いたリストを作成する
- 用途:範囲内の一意の値だけを抽出
- 例:=UNIQUE(B4:B19)
- B4:B19セルの間で重複を除いたリストを別の列に生成

- メリット:重複を自動的に排除し、整理されたリストを作成できる
- 注意:Excel 365 / Excel 2021以降で利用可能
この方法を使うことで、Excel 重複削除の操作だけでは対応しきれない複雑なデータ整理も効率的に行えます。関数と削除機能を組み合わせることで、作業の精度と速度が大幅に向上します。
実践例・ケーススタディ
名簿データで重複を削除する実例
社員名簿や顧客リストなどでは、名前やメールアドレスが重複して登録されていることがあります。こうした場合、Excelの 重複削除 機能を使うと、簡単に整理できます。
手順例:
- 対象列(名前やメールアドレス)を選択
- 「データ」タブ → 「重複の削除」をクリック
- 削除後のリストを確認
この方法で、誤送信やデータ分析のミスを防ぎ、名簿の信頼性を確保できます。事前にバックアップを取ることも忘れずに。
アンケート回答などでの重複処理の注意点
アンケート結果やフォーム入力データでは、複数回答や入力ミスによる重複が発生することがあります。単純に削除すると正しい回答まで消してしまう可能性があるため注意が必要です。
- 削除前の確認:条件付き書式で重複を強調
- 必要な列だけ対象:回答日時やIDなどの列を基準に削除
- 元データの保管:分析に必要なオリジナルデータは保持
このように、データの特性に応じた慎重な操作が求められます。
複数列重複・複雑条件での削除例
場合によっては、単一列だけではなく 複数列を組み合わせた重複判定 が必要です。例えば「氏名 + メールアドレス」の組み合わせで重複を削除すると、同姓同名でも異なる人物は残せます。
- 複数列指定:重複削除の設定画面で対象列を複数選択
- 関数との併用:COUNTIFやUNIQUE関数で条件を確認
これにより、正確で柔軟なデータ整理が可能となり、実務での活用範囲が広がります。
トラブル対応・注意点
重複削除がうまくいかない原因と対処
Excelで重複削除を行っても、思った通りに削除できないことがあります。主な原因は以下の通りです。
- 隠れた空白やスペース:セル内の見えない空白で別データと判定される
- データ形式の違い:文字列と数値の混在で重複認識されない
- フィルターや非表示行の影響:非表示行も含めて削除される場合がある
対処法
- TRIM関数で空白を削除
- セルの書式を統一
- 非表示行を確認してから操作
誤って有用データを削除しないための対策
重複削除を行う前に、誤削除を防ぐための対策が重要です。
- バックアップを作成:元データをコピーして別シートに保存
- 削除対象列の確認:必要な情報が含まれていないかチェック
- 関数で確認:COUNTIFや条件付き書式で重複を目視確認
これにより、誤って必要なデータを削除するリスクを減らせます。
バージョン差・書式の違いによる挙動の違い
Excelのバージョンやセル書式によって、重複削除の挙動が異なる場合があります。
- Excel 365 / 2019以降:Power Queryや関数との連携が可能で高度な処理ができる
- Excel 2016以前:基本機能のみで複雑条件は対応しにくい
- 書式の違い:日付や数値の書式が揃っていないと正しく判定されない
操作前にバージョンと書式を確認することがトラブル防止のポイントです。
データ量が多い場合の処理負荷対策
大量データ(数万行以上)の重複削除では、Excelの動作が重くなることがあります。
- 範囲を分割して処理:大きなデータは複数回に分ける
- Power Queryの活用:大量データでも高速で安全に処理可能
- 不要な列を除外:削除対象以外の列を非表示または削除して負荷を軽減
これらの対策で、効率的かつ安全に重複削除を実行できます。
まとめ
Excel 重複削除機能と関数、Power Queryを組み合わせることで、データ整理の効率と精度が格段に向上します。初心者でも安心して使える手順や応用例を理解することで、業務や分析の信頼性を高められます。ぜひ実際のデータで試してみましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q重複削除したデータは元に戻せますか?
- A
削除直後であれば「Ctrl + Z」で元に戻せます。ただし保存後は不可のため、操作前に必ずバックアップを作成しておくことをおすすめします。
- Q一部の列だけ重複削除したい場合はどうすればいいですか?
- A
「重複の削除」機能で対象列を指定することで、必要な列のみを基準に削除できます。複数列を組み合わせて判定することも可能です。
- QExcelで大量のデータを重複削除すると処理が遅くなるのはなぜですか?
- A
データ量が多いとExcelの処理負荷が増すためです。範囲を分割したり、Power Queryを使うと高速で安全に削除できます。
- Q関数で重複を確認する方法はありますか?
- A
COUNTIF関数で特定の値が何回出現しているか確認したり、UNIQUE関数で重複を除いたリストを作成する方法があります。初心者でも簡単に使用可能です。
- QExcelのバージョンによって重複削除の挙動は変わりますか?
- A
はい、Excel 365や2019以降では関数やPower Queryが使えますが、旧バージョンでは基本機能のみです。事前にバージョンを確認して操作することが重要です。