App Storeのキーワード設定、初心者がやりがちなNG例

5.アプリマーケティング

「App Storeのキーワード欄、とりあえず思いつく言葉を詰め込んでおいた」
もしそうなら、せっかくの100文字がほとんど無駄になっているかもしれません。

キーワード設定は、ルールを知らないまま埋めると逆効果になることすらある項目です。この記事では、初心者がやりがちなNG例を具体的に並べて、どう直せばいいかまでセットで解説します。

前提:App Storeのキーワードはどこで決まるのか

NG例に入る前に、「そもそもキーワードはどこに書くのか」を整理します。ここがあいまいなまま設定すると、ほぼ確実にミスが出ます。

App Storeでアプリが検索に引っかかるかどうかは、主に次の3か所で決まります。

場所文字数の目安役割
アプリ名(タイトル)30文字検索で最も強く効く。アプリの「顔」
サブタイトル30文字タイトルの次に強い。補足キーワードを入れる枠
キーワードフィールド100文字ユーザーには見えない。検索用の予備キーワード欄

ポイントは2つあります。1つ目は、キーワードフィールドはユーザーに表示されないこと。App Store Connectの管理画面にだけある、検索エンジン向けの裏側の欄です。

2つ目は、説明文(ディスクリプション)はキーワードとして基本的に使われないこと。Google検索のSEOとは違い、App Storeでは本文にキーワードを散りばめても検索順位にはほぼ影響しません。だからこそ、上の3か所の使い方が勝負になります。

では、この3か所でやりがちなNG例を見ていきましょう。

NG例1:タイトル・サブタイトルと同じ単語をキーワード欄にも入れる

一番多いミスです。たとえばタイトルに「家計簿」、サブタイトルに「貯金」と入れているのに、キーワードフィールドにもう一度「家計簿,貯金」と書いてしまうパターン。

App Storeの検索は、タイトル・サブタイトル・キーワードフィールドを横断してまとめて見ます。つまり一度どこかに入れた単語を、別の欄にもう一度書いても効果は上がりません。100文字の貴重な枠を、ただ捨てているだけになります。

どう直すか

  • タイトルとサブタイトルに入れた単語を、まずリストアップする
  • キーワードフィールドには、そこに「入っていない」単語だけを書く
  • 3か所で同じ単語を繰り返さない、を徹底する

NG例2:カンマの後ろにスペースを入れる

キーワードフィールドは、単語をカンマ(,)で区切って書きます。このとき、つい読みやすさのために「家計簿, 貯金, 節約」とスペースを入れてしまう人がいます。

これはNGです。スペースも1文字としてカウントされます。100文字しかない枠で、区切りのたびにスペースを入れると、それだけで何文字分も損をします。

どう直すか

  • 正しい書き方:家計簿,貯金,節約,自動入力,レシート
  • カンマの前後にスペースを入れない
  • 余った文字数で、もう1単語多く狙える

NG例3:複合語をそのままの形で入れる

「家計簿アプリ」「タスク管理ツール」のように、長い複合語をそのまま1単語として入れてしまうケースです。

App Storeの検索は、登録された単語を組み合わせて検索結果を作ります。「家計簿」と「アプリ」を別々に登録しておけば、「家計簿」でも「家計簿 アプリ」でもヒットする可能性があります。でも「家計簿アプリ」と一塊で入れると、その並びでしか引っかかりにくくなり、かえって範囲が狭まります。

どう直すか

  • 複合語は、意味のある最小単位に分解して入れる
  • 「家計簿アプリ」→「家計簿」(「アプリ」はNG例4参照)
  • 分解しておけば、App Store側が自然な組み合わせを作ってくれる

NG例4:「アプリ」「app」など、当たり前すぎる単語を入れる

「アプリ」「app」「ツール」「無料」といった単語をキーワードに入れている人は多いですが、これらは基本的に枠の無駄づかいです。

理由はシンプルで、こうした単語は競合が多すぎて、まず上位に出てこないから。App Storeにあるものは全部「アプリ」なので、「アプリ」という言葉で差はつきません。貴重な100文字を、勝てない単語に使ってしまっている状態です。

どう直すか

  • 「アプリ」「app」「ツール」のような汎用語は外す
  • 代わりに、もう少し具体的で、ユーザーが実際に打ちそうな言葉を入れる
  • 例:「アプリ」を外して「レシート読み取り」「資産管理」などを追加

NG例5:自社のアプリ名やカテゴリ名をわざわざ入れる

キーワードフィールドに、自分のアプリ名や、選択しているカテゴリ名(「ファイナンス」など)を入れているケースです。

アプリ名はタイトルにすでに入っているので重複(NG例1)。カテゴリは、App Store側がアプリの所属情報として元から扱っています。どちらもわざわざキーワード欄に書き足す必要は薄く、その分の文字数を他に回したほうが得です。

どう直すか

  • アプリ名・カテゴリ名はキーワードフィールドから外す
  • 空いた文字数を、まだ拾えていない検索語に使う

NG例6:競合アプリの名前を入れる

「有名なあのアプリを探している人を、自分のアプリに流したい」と考えて、競合アプリの名前やブランド名をキーワードに入れる——これは規約違反のリスクがあるNG例です。

App Storeの審査ガイドラインでは、他社の商標やアプリ名を無断で使うことが禁じられています。見つかった場合、リジェクト(審査落ち)や、最悪アプリの公開停止につながることもあります。短期的な集客のために、アプリ全体を危険にさらす価値はありません。

どう直すか

  • 競合名・他社ブランド名は入れない
  • 代わりに、競合アプリの「ユーザーが解決したい悩み」を表す一般語を狙う
  • 例:競合名ではなく「シフト管理」「割り勘 計算」など、行動ベースの言葉

NG例7:誰も検索しない単語を入れる

自分のアプリの機能を表す、こだわりの造語やキャッチコピーをキーワードに入れるケースです。気持ちはわかりますが、誰も検索しない単語は、入れても1件も流入を生みません

キーワードは「自分が説明したい言葉」ではなく「ユーザーが実際に打ち込む言葉」で選ぶ必要があります。ここがズレていると、100文字を全部埋めても検索からは人が来ません。

どう直すか

  • App Storeの検索窓に単語を打ち、サジェスト(予測候補)に出るか確認する
  • サジェストに出る=それなりに検索されている、の目安になる
  • 「自分が使う言葉」より「ユーザーが使う言葉」を優先する

NG例をまとめて直すと、こうなる

架空の家計簿アプリ「カケイノート」を例に、ビフォーアフターを見てみます。

修正前のキーワードフィールド(NGだらけ)

カケイノート, 家計簿アプリ, アプリ, 無料, 家計簿, ファイナンス, MoneyForward

  • 「カケイノート」→ アプリ名なので不要(NG例5)
  • 「家計簿アプリ」→ 複合語(NG例3)
  • 「アプリ」「無料」→ 汎用語(NG例4)
  • 「家計簿」→ タイトルに入っているなら重複(NG例1)
  • 「ファイナンス」→ カテゴリ名(NG例5)
  • 「MoneyForward」→ 競合名、規約違反リスク(NG例6)
  • カンマ後のスペース → 文字数のムダ(NG例2)

修正後のキーワードフィールド

貯金,節約,家計管理,レシート,自動入力,資産管理,予算,固定費,支出記録

タイトルやサブタイトルに入っていない、かつユーザーが実際に検索しそうな言葉だけに絞りました。同じ100文字でも、拾える検索語の数がまるで違います。

まとめ

  • キーワードは「タイトル/サブタイトル/キーワードフィールド」の3か所で横断的に効く。同じ単語を繰り返さない
  • カンマ後のスペース、複合語、汎用語、アプリ名、カテゴリ名は文字数のムダ
  • 競合アプリ名を入れるのは規約違反のリスク。絶対にやらない
  • 選ぶ基準は「自分が説明したい言葉」ではなく「ユーザーが実際に打つ言葉」

まず今日できるのは、自分のキーワードフィールドを開いて、この7つのNGに当てはまる単語を消すことです。それだけで、空いた文字数を新しい検索語に回せます。キーワードの「探し方」そのものは、別記事であらためて解説していきます。

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