Excel(エクセル)のif関数とは|複数条件のやり方も解説

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Excelを使う上で、条件に応じて自動で結果を変えられる「IF関数」は非常に便利なツールです。例えば、売上が一定以上ならボーナスを計算したり、勤怠状況に応じて判定を行ったりと、日常業務の効率化に直結します。

IF関数をマスターすることで、手作業での計算ミスを減らし、業務の自動化や分析スピードの向上が可能になります。

本記事では、Excel ifの基本から複数条件の応用まで、実務で役立つ具体例を交えてわかりやすく解説します。

IF関数の基本

IF関数とは/用途の概要

IF関数は、指定した条件が「真(TRUE)」か「偽(FALSE)」かを判定し、結果を切り替えるExcelの関数です。

条件に応じて異なる値や計算結果を返すため、単純な判定から複雑な業務フローまで幅広く活用できます。例えば、「売上が50万円以上ならボーナス○%」といった条件判定や、「合格/不合格」の自動判定など、ビジネス現場での実務処理に非常に役立ちます。

構文と引数の意味

IF関数の基本構文は以下の通りです。

=IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)

  • 条件:判定する論理式や比較式(例:A1>50)
  • 真の場合の値:条件がTRUEのとき返す値や計算式
  • 偽の場合の値:条件がFALSEのとき返す値や計算式

構文を理解することで、入れ子(ネスト)IFや複数条件の応用もスムーズに行えます。

比較演算子と論理式の基本

IF関数で使用される主な比較演算子は以下の通りです。

  • = 等しい
  • <> 等しくない
  • > より大きい
  • < より小さい
  • >= 以上
  • <= 以下

論理式は条件判定の根幹であり、必要に応じて AND関数・OR関数 と組み合わせることで複数条件の判定も可能です。これにより、より柔軟で実務的な条件分岐が実現できます。

単一条件の使い方と例

合格/不合格の判定

IF関数の基本的な使い方として、単一条件で「合格/不合格」を判定する例を紹介します。

=IF(A1>=60,"合格","不合格")
  • A1>=60:セルA1の点数が60点以上かどうかを判定
  • “合格”:条件を満たした場合に表示する値
  • “不合格”:条件を満たさなかった場合に表示する値

この数式を使用すると、テストや評価の結果を自動で判定でき、手作業での判断ミスを防ぐことができます。

割引条件や在庫管理での活用例

単一条件は日常業務でも広く活用できます。例えば、売上や在庫に応じて処理を自動化できます。

例:割引

=IF(B2>=10000,"10%割引","割引なし")
  • B2>=10000:購入金額が1万円以上か判定
  • “10%割引”:条件を満たした場合の処理
  • “割引なし”:条件を満たさなかった場合

例:在庫管理

=IF(C2<10,"発注必要","在庫十分")
  • C2<10:在庫数が10未満か判定
  • “発注必要”:補充が必要な場合の表示
  • “在庫十分”:問題ない場合の表示

このように、単一条件だけでも日常業務の判断や作業を効率化できます。

複数条件の扱い方

AND関数・OR関数との組み合わせ

IF関数単体では一つの条件しか判定できませんが、AND関数OR関数と組み合わせることで複数条件を同時に判定できます。

例:売上と会員ランクでボーナス判定

=IF(AND(A2>=50000,B2="ゴールド"),"ボーナス10%","ボーナスなし")
  • AND(A2>=50000,B2=”ゴールド”):売上が50,000以上かつ会員ランクがゴールドかを判定
  • 条件を両方満たす場合は「ボーナス10%」、どちらかでも満たさない場合は「ボーナスなし」

OR関数を使えば、いずれかの条件を満たす場合に処理を切り替えることも可能です。

入れ子(ネスト)IFの使い方と注意点

複数の条件を順番に判定したい場合は、入れ子IFを使います。

例:成績の評価

=IF(A2>=90,"A",IF(A2>=80,"B",IF(A2>=70,"C","D")))
  • 条件を上から順に判定し、最初にTRUEになった値を返します
  • 注意点:入れ子が多くなると数式が複雑になり、保守性が低下するため注意

IFS関数での簡略化

Excel 2016以降では、IFS関数を使うことで入れ子IFを簡潔に書けます。

例:成績の評価(IFS関数)

=IFS(A2>=90,"A",A2>=80,"B",A2>=70,"C",TRUE,"D")
  • 複雑な入れ子構造を避け、見やすく管理しやすくなる
  • 複数条件判定を簡略化できるため、実務での可読性が向上します

IF関数・SWITCH関数・CHOOSE関数の比較(判定例付き)

  • SWITCH関数:指定した値に応じて結果を切り替える
  • CHOOSE関数:インデックス番号で結果を選択
  • IFSやSWITCHを使うことで、複雑な条件分岐もより整理された形で記述可能

IF関数:テスト評価判定

IF関数は「範囲判定」に向いています(例:点数や売上金額)

=IF(A2>=90,"A",IF(A2>=80,"B",IF(A2>=70,"C","D")))
点数 (A2)判定結果
95A
82B
76C
65D

SWITCH関数:信号に応じたアクション判定

SWITCH関数は「値ベースの選択」に強いです(例:色、状態、カテゴリ)

=SWITCH(B2,"赤","停止","黄","注意","緑","進行","不明")
信号 (B2)判定結果
停止
注意
進行
不明

CHOOSE関数:数値インデックスによる分類

CHOOSE関数は「インデックス番号で選ぶ」単純な分類に便利です

=CHOOSE(C2,"小","中","大")
インデックス (C2)判定結果
1
2
3
4エラー(未定義)

まとめ

Excel if関数は条件に応じて自動で結果を切り替えられる便利なツールです。本記事では、基本的な使い方から複数条件の応用、実務での具体例までを解説しました。

IF関数をマスターすれば、作業効率の向上や判断ミスの軽減につながります。さらに詳しい活用方法は関連コンテンツもぜひチェックしてください。

よくある質問(FAQ)

Q
Excel if関数の基本的な使い方は?
A

Excel if関数は「=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)」の形式で使用します。条件式に応じて自動で値を切り替えられます。

Q
Excel if関数で複数条件を設定できますか?
A

はい、AND関数やOR関数と組み合わせることで複数条件の判定が可能です。状況に応じて使い分けることがポイントです。

Q
Excel if関数でエラーが出るのはなぜですか?
A

括弧の抜けや条件式の誤り、数値と文字列の不一致が主な原因です。入力内容を確認することが大切です。

Q
Excel if関数とIFS関数の違いは?
A

IFS関数は複数条件を簡潔に書けるExcel 2016以降の関数です。入れ子IFよりも見やすく管理しやすいのが特徴です。

Q
Excel if関数の応用例を教えてください。
A

売上に応じた評価、在庫管理、合否判定などで活用できます。具体例を設定することで作業効率を大幅に向上させられます。

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